講演会

腎友会主催 高桑院長講演会

1115日(日)10時から高山市福祉センター2階研修室におきまして、高桑クリニック腎友会の主催で高桑院長の講演会がありました。当日は朝から雨・・行楽の秋という訳にもいかず、ある意味絶好の講演会日和でした。テーマは「透析暦30年を目指すには・・」です。正確には、30年間ただ生きるということではなく、自足で元気に通院できる30を目指そうという思いが込められています。

Img_0162ご講演内容を要約すると、透析患者は、まずしっかり食事をすること!でも内容が大事。蛋白質をしっかり摂取することを心がけ、炭水化物に偏らない。1日に材料20品以上を使ったおかずの食事を目指そう。現在の透析患者(日本人)は総じて食事のごはん比率が高く感じられる(炭水化物過多)。だから必要な栄養素の摂取が足りない。炭水化物=糖は体を動かすためのエネルギーではあるが栄養価は低い、余分な糖は脂肪になるだけ。先生は血や肉になるものを積極的に食べよとの事。しかし蛋白質や野菜などの摂りすぎはリンやカリウムを上昇させます。でも今では塩酸セベレマー製剤(レナジェル)や炭酸ランタン(ホスレノール)など優秀なリン吸着薬があり、何よりシナカルセト(レグパラ)の登場で副甲状腺機能亢進症に対する骨代謝コントロールができるようになりました。なぜ食事による栄養摂取の重要性を唱えるか・・それはからだ作りが大事なのです。Img_0159
からだ作り=運動です。しっかり食事で栄養を摂り、週に何日か必ず運動することでからだを作る(筋肉を落とさない)ことが大事。筋肉というのは血管と血液の宝庫で第2の心臓とも呼ばれます。通常、食事、飲水による水分貯留は血管外では主に筋肉内に貯留されます。筋肉がしっかりある透析患者は透析中に多くの除水をしても筋肉内の水分は血管内に容易に返りやすいという特性から血圧が下がりにくい=しんどくないのです。逆に筋肉量の少ない透析患者は血管外の水分が皮下組織に浸透するので、透析中の除水による水分の血管内への返りが遅れるため、血圧低下になりやすい=しんどいということになる。つまり“正しい食事+運動によるからだ作り=よい透析への準備“なのです。逆に”食べない(栄養不足)から動けない(筋力低下)から短時間しか透析がもたない(4時間が精一杯)、そして透析後はクタクタでしんどい“という質の悪い透析状況が貧血等を悪化させ、揚句には透析アミロイドーシスなどの合併症に悩むことになってしまうのです。元気に30年自足で通院するにはしっかり食べて、しっかり運動して、しっかり透析することが大事であるというお話でした。

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折しもこの日は高桑先生の○○回目のお誕生日でした。患者会のきれいどころから花束のプレゼントをいただきました。誠に有意義な日曜日の午前でした。お昼はみんなでおいしいお弁当を食べて、さあ午後からは患者会主催のボウリング大会です。

                        To Be Continued

 

 レポーターX 

最新腎移植治療の講演会

6月4日 岐阜大学付属病院 腎移植外科・泌尿器科の伊藤愼一先生による最新腎移植治療の勉強会に参加させていただきました。

P1010513 昨年7月から日本の臓器移植法が全面的に改正され、県内でも昨年11月に脳死判定による臓器移植がされて話題になりました。

法改正により何が変わったのでしょう?

「提供しない」と意思表示がされている場合を除けば、本人の意志が不明な場合も、家族の承諾により脳死後の臓器提供ができるようになりました。このことにより、15歳未満の方からの脳死後の臓器提供も可能となりました。

なぜ法改正されたのでしょう?

 海外の貧しい国では、臓器売買という悲しい現実がありました。また、日本国内では移植が困難であったため海外渡航移植が多かったのです。この海外渡航移植、恥ずかしながら伊藤先生のお話で初めて気づかされたのですが・・・。P1010516_2

日本人が渡米して臓器移植を受ける。それはすなわち、米国の患者さんの順番待ちの間をくぐって受ける、となるわけですね・・・。あと少し順番が早ければ、といった状況も察することができます。

そんな中、2008年国際移植学会で、自国での臓器移植で救える命への取組を強化するよう求める「イスタンブール宣言」が採択されました。そこで日本では、特に海外での移植に頼っている小さな子どもの心臓移植の道が非常に狭まる可能性が高まり、早急な対策が必要となった訳です。

生体腎移植について

 現在では、血液型が不適合であっても 薬剤投与や処置により移植が可能となりました。それにより夫婦間での移植も増加しているようです。

また、移植後レシピエントに必要不可欠な免疫抑制剤も改良され 5年後の生着率は95.7%、生存率は 99.1% だそうです。

ドナーにおいては、移植後にドナーの健康がおかされてはならないので、適応であるか否かの検査をします。それによって、片方の腎摘出に伴う腎機能低下などのリスクは殆ど無い(0.5%未満)だそうです。

腎不全の治療は QOL(生活の質)改善の治療から 生命予後改善の治療へ、と話しておられました。

治療の情報を提供し、治療の選択肢が広がること。そして、その治療の段階に応じて 地域の医療機関が連携して生命予後改善をサポートする。そんな形が間近にあることを感じる勉強会でした。

最後に

 ご多忙の中、近くて遠い高山に足を運び 熱心にご講義下さった伊藤先生、大変ありがとうございました。

P1010521 また、「ブログにお写真を」のお願いにも快く応じて下さいましたこと、心より感謝いたします。

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